US日記23. アメリカユタ州のアパート事情
今回のユタでの滞在先は、最初の1週間だけAirbnbで個人宅のお部屋を借りて、その間にアパートやシェアルームを探しました。いろいろ分かったことをメモ。
便利だけど高いサービスアパート
サービスアパート (Serviced Apartment) とは、家具付き、光熱費込み、敷金や礼金なしのアパートのことです。英語では Corporate Housing という名称の方が一般的ですね。
ホテルよりも広くて安く、洗濯機や冷蔵庫、キッチン、インターネット、ケーブルテレビ、掃除機などが揃っているので快適です。
オプションでHouse Keeping (掃除)もつけられます。
1ヶ月以上なら日単位で借りられます。
サービスアパートを企画・運営する会社が普通のアパートを何カ所か借りて、家具を持ち込んで又貸しするというビジネスモデルのようです。私はOakwoodという会社を利用していました。
手軽で便利なのですが、田舎のユタでも1ベッドルームという一番小さいタイプ(1LDK)が1日100ドル以上、夏のバンクーバーだと150ドルもしました。
ホテルよりは安いとはいえ、個人ではとても払えません。
そこで、今回は現地の人たちと同じように、普通にアパートやシェアルームを探すことにしました。
ユタのアパート事情
ユタのApartmentは日本語の「アパート」とは少し異なり、最初から賃貸用に作られた集合住宅のことです。
日本でのUR賃貸マンションが近いかも?一方、分譲用に作られた集合住宅は Condominium と呼ばれて区別されます。
アパートメントはオーナー企業が企画して建設し、マーケティングや管理、運営を行います。
100戸、200戸と規模も大きいです(ユタだからかも)。
分譲を買ったけど転勤で使わなくなった個人オーナーや、○○荘を建てたオーナーが不動産に集客や契約を委託(丸投げ)する日本の賃貸とはシステムが異なりますね。
アメリカのアパートメントはもっとオーナーが前面に出ていて、能動的に自ら「経営」している感があります。
Webの活用は当たり前
今はどのアパートメントもWebサイトを持っていて、値段や設備を調べたり、問い合わせができるだけでなく、クレジットカードで賃料を払うことも可能です。
例えば、2013年に滞在していた「Liberty Hill」のサイトを見ると、写真や動画による部屋や施設の紹介、価格表に加えて、賃料を払うためのページへのリンクもあります。
入居者それぞれに発行されるIDでログインすると、支払いやメンテのリクエストが可能。
なんと、iOSとAndroidのアプリもあります。
礼金や更新料はないが敷金はある
アメリカでは礼金や更新料というシステムはありませんが、日本でいう敷金や保証金に相当するDepostは必要です。
部屋や施設にダメージを与えた場合の補填に使われ、残りが退出時に返金されます。
日本では「1ヶ月」など表現されますが、アメリカでは300ドルなどと安めで固定の金額になります。
例えば前述の Liberty Hillの場合、72m2の1LDKで賃料が909ドル、Depositが299ドルでした(2014年1月時点)。
その他、申し込み費用が必要なところもあります。クレジットスコアを調べたりするのに費用がかかるので、気軽に申し込んでキャンセルするのを抑制するためかも?
このような価格設定は時期や競合の状況によって柔軟に変わります。
不動産や管理会社に委託していないので、権限を持ったマネージャーがサクサクと決めて実行できるのでしょう。
賃貸アパートには家具がついている
もともと賃貸用として作られているアパートメントには、冷蔵庫、電子レンジ、オーブン、食器洗い乾燥機が付いているのが普通です。場所によっては、さらに洗濯機と乾燥機がついていることも。
まれに、屋内のガレージ付きのアパートもあります。ユタの場合、冬は雪が降り、夏は日差しが強いので、屋内型のガレージは重宝します。
一軒家のようなタウンハウス
前述のLiberty Hillは、Townhomeという一軒家を分割して1階と2階を占有でき(メゾネット式)、さらに屋内型のガレージもついているという珍しい物件です。
以前に滞在していたOremのCortland Ridge Apartmentsにもガレージはありましたが、ドアを開けて共有スペースに出て、玄関から家に入る必要がありました。Liberty Hillのは家にアタッチされたガレージなので、ガレージのドアから直接家に入れます。
賃貸でガレージ付きのTownhomeは珍しいですね。Sandy / Draper / Lehi / American Fork あたりで探しましたが、見つかったのはここだけでした。
アパートは短期だとムダになる
何カ所かまわって見学しました。が、最短期間は6ヶ月が多く、それよりも短いと家賃が100ドル高くなったりします。さらに電気やガス、水道、インターネット接続も自分で契約する必要があります。暖房はエアコンではなく、ガスで家全体に空気を送るシステムなので、高く付きます。洗濯機つきのところを選び、ソファやテレビは無しで済ますとしても、ベッド、机、食器、料理器具、カーテンは必要になります。日本に帰る時に処分するのが煩わしいので、結局アパートを諦め、家具付きのシェアルームにすることにしました。
つなぎとしてのAirbnb
アパートとシェアルームのどちらにしても、探して契約するまで時間がかかります。
日本から連絡して見学しないで契約するのはリスクがあります。
そこで、最初の1週間だけAirbnbを利用して個人のお宅の部屋を借りることにしました。
自宅の一部を人に貸す場合、知り合いを探したり、Classifiedに掲載するのが普通ですが、Airbnbの場合は貸す人と借りる人のマッチングを行うだけでなく、クレジットカードによる決済、借りる人、貸す人双方についてのレビューや個人認証サービスなど、付加価値を提供しています。
Airbnbはホテルよりは安価で、「これは革新的な最新ネットサービスだ!」と期待していたのですが、使ってみるといろいろな発見が。
- 税金とサービス料がかかるので意外と高い
- 個人相手なので柔軟に対応する必要がある
- 前の人の退去が遅れたので2日前になって突然キャンセルされたことがある
- サンフランシスコでは4人に拒絶された(オファーをした後に都合が合えば承認するというシステム)
- こっちが気を遣うのでちょっと疲れる
滞在したのはここ
家全体がきれいに飾られていました。借りたのは地下の部屋です。部屋に小さい冷蔵庫と電子レンジがありました。
トイレとお風呂は専用。玄関やキッチンは共有です。子どもが独立して部屋が余ったので、貸し出すことにしたそう。広い家に母子二人だけが住んでいます。
玄関から入ったり共有のキッチンを使うときはちょっと緊張しますが、数日で慣れ、食事や生活パターン、家の飾り方、家具の使い方や接し方など、アメリカ人の普通の暮らしを垣間見ることができました。
安いホテルというよりは、ホームステイみたいなものですね。
感謝の気持ちを持って礼儀正しく柔軟に対応し、顔合わせた時には挨拶や会話を楽しみ、英語でしっかりコミュニケーションできる必要があります。
方法別のまとめ
アパートを借りる場合
- 最低期間は6~12ヶ月。場所によっては3ヶ月も可能だが家賃が毎月100ドルなど高くなる
- 電気・ガス・水道・ケーブル(インターネット)の手配が必要。暖房はアパート全体でOn/Offするので結構高い
- 冷蔵庫、食洗器、電子レンジ、洗濯機が付いているのが良いが、ベッドや机は買う必要がある
部屋を借りる場合
- 安いけれども光熱費がプラスされる
- リースになるので意外と面倒(最低期間、保証金)
- ベッドや机は買う必要がある
- キッチンや玄関が共有になる
Airbnbの場合
- ホテルよりは安いがアパートよりは高い
- クレジットカードで払え、領収書を印刷できる
- 最低期間や保証料が無いので契約は楽
- 家具を買う必要がない
- ホストファミリーの都合に左右される
- キッチンや玄関が共有になる
2週目からは、結局会社の友人の家の地下室を借りることにしました。
2部屋と専用トイレ&シャワーがあるので広いです。
ベッドやソファ、タンスなどの家具付き、光熱費込みで600ドル。玄関とキッチンは上の階で共有なので、料理は時間帯をずらす必要があります。
次は車を買った話に続きます。