US日記16. マルチチャネルでコンバート:USのセール事情
昨日2/18(月)はUSではPresident’s Dayだったので、3連休でした。
あちこちでお得なセールを実施していたので、デジタルマーケティングの体験を兼ねていろいろ買ってみました(単なる衝動買い?w)。
USでは口コミが効く
木曜にダウンタウンのスキーショップに行ってみたところ、店員が「明日から連休まで店内の全商品25% OFFセールだよ」と教えてくれたので、金曜の夜に再訪問していろいろ購入しました。
金曜はまだ平日なので、連休前の先取りセールです。
- Salomonのスキー板とポール:$159.20 - 日本では3万円弱
- Black Diamondsのミトン(手袋):$32.04 - 米Amazonでは$70、日本では1万円以上
REIのような大手のチェーンではなく、2nd Tracksという地元の小さな中古ショップです。
こういうお店は、オンラインで調べてもよく分かりません。サイトもFacebookもイマイチ。
在庫もオンラインのと店舗内では異なります。
今回のセールもネットには掲載されていませんでした。白黒のチラシをカウンターに置いているだけ。
私は同僚から教わり、実際に訪問して購入し、お得なのでさらに同僚に教えたり誘ったりしました。
日本ではお店が密集していますが、アメリカの地方ではお店が点在しているので、回遊して比較検討することができません。
そんな状況では、口コミが威力を発揮します。
Facebook→メール→来店→Web検索→メール購読
連休が明けた今日2/19(火)のこと。ランチ中にFacebookを見たところ、Patagoniaのアウトレット店のセールが今日で終わる、というポストを見かけました。
1. まずFacebookのポスト
『今日までだよ」というあっさりとしたメッセージです。リンクもありません。
2. 次にニュースレター(メール)
「セールあったんだ」「お知らせメール来てたかな」と思っていたところ、13:02にお知らせメールが届きました。
このメールは近所の店舗に特化していなく、オンラインSHOPで最大60% OFF、としか書いていませんが、Facebookで店舗でもセールがあると知っていたので、背中を押され、お店に行ってみようと思うようになりました。
3. 急いでお店を訪問
ソルトレイクシティーの直営店はアウトレット店なので普段でも定価の数割引と安いのですが、さらに安くなるはず。
仕事帰りに駆けつけてみたところ、何と全品40% OFFという太っ腹セール中。結局5点も買ってしまいました。
- メンズ・イスマス・パーカ $83.70(定価$269.99、日本では定価28,350円)
- メンズ・ラムウール・1/4ジップ $29.40(定価$119、日本では定価14,700円)
- メンズ・フィンマーク・ジャケット $83.70(定価$199、日本では定価26,250円)
- メンズ・キャプリーン1・シルクウェイト・グラフィック・クルー $11.40(定価$59、日本では定価6,930円)
- メンズ・キャプリーン1・シルクウェイト・ストレッチ・Tシャツ $16.50(定価$39、日本では定価3,990円)
大きなお店にある全部の商品が40%引きです。
元々アウトレットで安いので、定価と比べると3分の1、4分の1、と半端無く安いです。こういう安売りを「Sale」と呼ぶんですね。
4. Webで検索
アパートに戻ってから商品を広げ、検索してレビューや定価を調べていたところ、Googleの検索結果がこんなことに:
PPC広告部分にニュースレターの購読用フォームが表示されています。
白い入力欄と濃い色のボタンがかなり目立ってます。上の図ではxxxに修正してますが、自分のGmailアドレスが最初から記入されているので、1クリックで購読完了です。
5. ニュースレター購読
実際に購読ボタンをクリックしてみたところ:
メールアドレス入力欄が消え、画面が変わること無く「登録が完了しました」と(英語で)表示されました。
USでは、2012年の6月には既にこのようにメールを簡単に購読できる広告をテストしていたようです。
参照:Google integrates newsletter signup into paid search ads - Brafton
メールが役立つUS事情
日本に住んでいると「サイトも見ないでメール購読なんてしないでしょ」と思うところですが、USではニュースレター(メール)が役立つので、公式サイトではわざわざ自分でメール購読します。パーソナライズされた近所のお店の情報が届くからです。
しかも、客寄せパンダ的に一部のイマイチな商品のみ割引するのではなく、半額以下や全商品25%、40%割引、というような本当にお得なセールが時々開催されるので、見逃せません。
良いセールは会社で同僚との会話の話題にもなります。
- 検索結果でのニュースレター購読は購読率が高そう
- ニュースレター購読と購買の相関が高そう
マルチタッチは全部大事
以上、1日でソーシャル、メール、検索、公式Webにマルチタッチし、オフラインで購入しました。
オフラインとはいえ、レシートをメールしてもらうためにレジで名前を照会したので、顧客データに購入が紐づいています。
ファーストタッチはFacebook、ラストタッチはメールになりますが、口コミやセールの魅力度なども合わせて複合的に貢献しているので、どれか一つのチャネルが重要、というわけではありません。
セールの時期をズラす
President’s Dayは月曜、連休は土〜月の3日間でしたが、今回私はその前後に購入しました。感謝祭も同じで、終わった後もCyber Week Saleなどと読んでセールを延長することがあります。
開始時期も、昔は前日の24:00などに店舗をオープンしていたのですが、夜、夕方、と開始時間が早まってきているそうです。
集中する時期は競争が激しく、情報が埋もれてしまうので、前後の隙を狙うのも効果がありそうです。
コンテクストの中で本質を理解しよう
以上、USのセール事情について紹介しました。
このように生活やカルチャーなどを理解(体験)しておくと、日本との違いが浮き彫りになり、いろいろなソリューションや考え方をコンテクストに合わせて理解できるようになるんですね。