楽天にいたころ、英語の公用語化で会議が英語に切り替わりました。自分は外資での経験が長いとはいえ、しょせん日本人。難しいのは質疑応答です。準備してある一方的な発表は問題ないのですが、質疑応答の場合は、

  • 想定していない回答を素早くする必要がある
  • 分からない、すぐには答えられない場合が多い
  • スルドイ突っ込みをうまくかわす必要がある

という点で難易度が高いのです。これが瞬時にできれば、生きた英語を話せると言えます。

現在(2011年)はUSで働いています。現場で実際に耳にした「これは使える!」と思った便利英語フレーズをいくつか紹介します。

Technical Difficulty.
ちょっと機材の調子が悪いので少しお待ちください。

プレゼン中にパソコンやプロジェクターが調子悪くなった時のお決まりのフレーズ。シンプルに2つの単語だけで十分。

I don’t have the math in front of me.
ちょっとその数字は手元にございません。

壇上で手元のPCを操作しながら発表しているシチュエーションで。
数字を「math」(数学、数式)と言ことで、ビジネス風なクールさを演出します。

10x
10倍

数字に続けてxをつけ、アルファベットをそのままテネックスと発音します。
10倍にします!会員が10倍に増えました!などと使えます。

the sales are not coming in.
セールがまだ追いついておりません(これから上がるんですよ!)。

売り上げが上がる、下がる、は良く使うフレーズなので、バリエーションを知っておくと便利です。

… is on a decline.
~は下降トレンドです。

こちらもバリエーション。

… is what keeps us up at night.
~のために毎晩多忙なのです。

~が我々を夜遅くまで働かせいる、という表現です。要因を主語にしているわけです。
日本人的にはWe are very busy with …などと言ってしまいがちですが、急に主語が自分たちになると話の流れが途切れてしまい、言う側にとっても聞く側にとっても違和感があります。

The goal we have for 2012 is to …
2012年の我々の目標は~

最初にズバっとThe Goalと言うと、Our goalよりも強い意志が感じられます。
Ourって日本人には発音が難しく、泡?と出鼻をくじかれるんです。

「2012」はtwo thousand twelveという人とtwenty-twelveという人に分かれます。日本人は後者の方が言いやすいですね。

Second point.
第二に、

理由を何点かに分けて説明することが多いですが、第一に、第二に、というのが意外と難しいのです。
省略して「First,」「Second,」だけにする日本人もいますが文法的に変。シンプルに「2番目のポイントです。」で良いんですね。

Is there any effort going on to …
~のような取り組みは行っているんですか?

質問に対して質問で切り返す時に使えます。
単純にAre you …?だとあなたはやっているのか?と詰問調になるので、これはやわらかくて便利なフレーズです。

Don’t tell them I said that.
俺が言ったって言わないでよ。

言いにくいことをストレートにボソッと言った後に。
この後に笑いが続けば半分ジョークになりますが、日本では外す可能性が高いので要注意。

add fuel to the fire.
火に油を注ぐ

「それは火に油を注ぐことになるのでおススメしません」等と、やんわりと否定するときに使えます。

It’s gonna be a multi-year journey.
それは数年かかるだろう。

遠い目をして言います。大変なことは先に強調しておきましょう。
数年はマルタイイヤー、さらにjourneyとすることで、格調高くなります。

This game is continued to be played out.
この勝負はしばらく続きます。

warではなく競合とのフェアな試合(ゲーム)なんですね。
動詞の後にoutをつなげるフレーズを使えるようになると、ネイティブっぽく聞こえるようになります。

… within a five-year period.
5年以内には~

日本人は直訳でwithin five years from now.などと言ってしまうところです。
「数年」「しばらく」よりも具体的なので、少し説得力が増えます。

As looking forward, …
今後に関しては~

今後の方針や予定について語り、締めくくりましょう。


以上、自分用メモからいくつか紹介しました。
このようなバリエーションを引き出しに入れておくと、聞いていて安心できる英語を話せるようになります。
本場の英語といっても、ネイティブではない人もいますし、人による特徴も出るので、これが英語のスタンダードというわけではありませんが、ご参考まで。