Search Analytics for Sheetsとは

Search Analytics for Sheetsは、Google Workspace Marketplaceで公開されているMihai Aperghis氏によるアドオンで、Search Consoleの検索パフォーマンスデータをGoogleスプレッドシートへ取得できます。

無料版でも1回最大25,000行を取得でき、同じ条件で定期バックアップできます。

取得できるディメンション(Query、Page、Date、Country、Deviceなど)と指標(クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位)は、Search Console画面の検索パフォーマンスレポートと同じです。

ただし、通常のSearch Console画面では、検索クエリやヒットページを最大1,000行までしか表示できません。「ちょっと確認したい」時には便利ですが、詳細な分析や繰り返し行う作業には向いていません。

一方、Search Analytics for Sheetsなら、1,000行を超えるデータもGoogleスプレッドシートへまとめて取得できます。QueryとPageなど複数の項目を横に並べて組み合わせられるため、どの検索クエリにどのページが表示されたかを一つの表で確認できます。

Search Console画面 Search Analytics for Sheets
取得できる行数 最大1,000行 最大25,000行(無料版)
項目の組み合わせ Query、Pageなどを切り替えて確認 Query × Pageなどを一つの表で取得
繰り返し作業 その都度、画面で条件を指定 同じ条件で繰り返し取得
データの保存 必要な時に手動で出力 日次・月次で自動保存
向いている用途 直近の状況を少し確認する 詳細分析、定期レポート、履歴保存

Search Analytics for Sheetsの使い方

1. アドオンをインストールする

  1. Google Workspace Marketplaceを開く
  2. Search Consoleを利用しているGoogleアカウントへインストールする
  3. 求められる権限の内容を確認して許可する
  4. 新しいGoogleスプレッドシートを作る
  5. 「拡張機能」→「Search Analytics for Sheets」→「Launch Sidebar」を選ぶ

組織のGoogle Workspaceでは、管理者がアドオンを許可しないとインストールできない場合があります。会社のデータを個人アカウントで取得してしまうのは避け、管理者に許可を依頼しましょう。

Search Analytics for Sheetsのサイドバー。Search Console Requests、Recurrent Requests、URL Inspectionsなどのメニューが並ぶ

サイドバーを開くと、最初に機能の一覧が表示されます。まず使うのは、一度だけデータを取得するSearch Console Requestsです。

  • Search Console Requests:条件を指定し、その場で検索パフォーマンスを取得する
  • Recurrent Requests:同じ条件で定期的に取得する
  • URL Inspections:URL検査の結果を取得する

2. 最初のデータを取得する

Search Console Requestsを選ぶと、設定画面に切り替わります。各項目の意味は次のとおりです。

Search Console Requestsの設定画面。Sites、Dates、Dimensions、Options、URL Inspectionを設定してRequest Dataを実行する
画面の区分/項目説明おすすめ設定
Sites / Choose siteデータを取得するSearch Consoleプロパティを選びます。ドメインプロパティとURLプレフィックスプロパティの両方がある場合は、分析対象の範囲に合う方を選びます。対象サイト
Sites / Search Type画像、動画、ニュース、Discoverなど、検索結果の種類をWeb以外に変更したい場合に指定します。Web
Dates / Date rangeデータを取得する期間を選びます。用意された期間だけでなく、開始日と終了日を指定することもできます。過去分をまとめて保存するなら、最長の16か月分を指定します。Last 28 days
Dates / Include partial data昨日など直近データも含めたい場合に指定します。未確定データが混ざるので注意が必要です。No
Dates / Compare to前期や前年と比較する場合のみ指定します。None
Dimensions / Group by取得するディメンションを指定します。多すぎると行数が上限を超えることがあるので、Date、Query、Page程度に絞り込み、CountryやDeviceはフィルタ側で絞り込むのがおすすめです。Query、Page
Dimensions / Filter by特定の国、端末、クエリ、ページなどに対象を絞って取得する場合に条件を追加します。指定なし
Options / Aggregation TypeDefault (auto)は、指定したディメンションに応じて集計単位を自動で選びます。プロパティ単位では、同じ検索結果にサイト内の複数ページが表示されても、表示回数はサイト全体で1回、掲載順位は最上位のページで数えます。ページ単位では、正規URLごとに表示回数と掲載順位を数えます。PageをGroup byまたはFilter byに含める場合はプロパティ単位を選べないため、通常はDefault (auto)のままで構いません。詳しくはSearch Console APIの仕様を参照してください。Default (auto)
Options / Rows returned1回のリクエストで取得する最大行数を指定します。無料プランでは最大25,000行です。Up to 25,000 rows
Options / Results Sheet取得済みのシートのデータを上書きで更新する場合は、既存のシートを選択します。Create New Sheet
URL Inspection検索結果に含まれる上位URLについて、インデックス登録状況も同時に取得したい場合に有効にします。No

最後にRequest Dataを押すと、新しいシートへデータが出力されます。

自動バックアップしてみよう

Search Analytics for Sheetsが本領を発揮するのは、同じ条件のデータを日次や月次のレポートのために繰り返し取得するときです。取得条件と実行頻度を一度設定すれば、毎回サイドバーを操作しなくても検索パフォーマンスを更新できます。

もう一つの用途が、過去データのバックアップです。Search Consoleで確認できる検索パフォーマンスは最大16か月で、それより古いデータは順次参照できなくなります。定期取得したデータをシートへ追加保存しておけば、16か月を超える変化も比較できます。ただし、バックアップを始める前に消えたデータをさかのぼって復元することはできません。

設定は、サイドバーのRecurrent Requestsから行います。ほとんどの項目はSearch Console Requestsと同じなので、定期実行ならではの項目だけ説明します。

Recurrent Requestsの設定画面の後半。Period、Dimensions、Optionsを設定してEnable Backupを押す
画面の区分/項目説明
Period / Choose recurrence interval実行頻度を選びます。月次(Monthly)は毎月3日に実行されます。
Options / Include non-grouped data in a separate sheetディメンションで分割しない全体の集計も、別シートへ保存したい場合にYesにします。
Options / Email me backup status実行後に、結果をメールで通知するかを選びます。
Options / Run a cycle right away有効化した直後に1回実行するかを選びます。

実行頻度は、目的に合わせて選びます。

  • 月次:月ごとの表示回数、クリック、順位を比較したい
  • 日次:順位変動や施策前後を細かく確認したい

最後にEnable Backupを押すと、定期実行が始まります。止めるときはDisable Backupを押します。

Email me backup statusをYesにすると、実行後に通知メールが届きます。Run a cycle right awayをYesにすると、次の実行タイミングを待たず、すぐに実行されるので検証に便利です。

取得したデータは、そのままでは使いにくい

定期バックアップを設定すれば、検索データは自動でたまります。しかし、取得したクエリをそのまま眺めても、表記の違う似た検索が何百行にも分かれているため、全体の傾向をつかみにくいままです。まず、同じ目的を持つクエリをまとめてみましょう。

大量の類似クエリはまとめる

たまったクエリ一覧を眺めると、似たような行が多いことに気づきます。「使い方」と「使用方法」のような類義語、語順の違い、空白の有無。表記が少し違うだけで、同じ内容の検索が別々の行に分かれています。

  • search analytics for sheets 使い方
  • search analytics for sheets 使用方法
  • search analytics sheets 使い方
  • searchanalytics for sheets 使い方

このまま集計すると、クリック数や表示回数が実態より細かく分散してしまいます。まずは表記ゆれをまとめましょう。Sheetsなら分類用の列を足して、REGEXMATCH関数で「使い方|使用方法」のような正規表現に一致した行へ同じラベルを付けるだけでも、上位の傾向がぐっと見やすくなります。

さらに分類するなら、観点は「何のために検索したのか」という目的がおすすめです。目的別にまとめると、応えるべきページと実際に表示されたページのずれが見えてきます。

クリックの先はGA4で確かめる

Search Consoleで分かるのは、検索結果に表示されてからクリックされるまでです。ページに来た人がその後どう動いたかは、GA4で確かめます。

ここで注意したいのは、Search ConsoleのクエリとGA4の行動データは直接つなげられないことです。「このクエリで検索した人が問い合わせた」というクエリ別のCVレポートは作れません。代わりに、日付とランディングページをキーにして、ページ単位で検索後の行動を見ていきます。

Sheetsで限界が見えたら、BigQueryとAIへ

Sheetsでの検索分析は、データが増えるにつれて限界が来ます。

  • 1回25,000行の取得では、クエリを取りきれない
  • バックアップがたまってシートが重く、開くだけで待たされる
  • スプレッドシートのセル数上限(1,000万セル)が近づいてきた
  • 表記ゆれが多様すぎて、正規表現では分類を書ききれない

こうなったら、Sheetsで粘らずにBigQueryへ移します。Search ConsoleのBigQuery一括エクスポートを設定すれば、その日以降のデータが毎日自動で蓄積されます。1回あたりの行数上限がなく、たまった分は16か月を超えて保存できます。表記の正規化や集計はSQLで書き、正規表現で書ききれない分類はAIに任せます。Looker StudioやTableauで可視化する場合も、この基盤につなげば毎月作り直さずに済みます。

どこまで仕組みを整えても、順位表を毎月更新するだけでは、検索した人の体験は変わりません。ページを一つ変えられたら、その月の分析は十分に仕事をしたと言えます。

よくある質問

Search Analytics for SheetsはGoogle公式のアドオンですか?

Google製ではありません。Mihai Aperghis氏が提供し、Google Workspace Marketplaceで公開されているアドオンです。Search Console APIを使ってデータを取得するため、インストール時には要求される権限と利用するGoogleアカウントを確認してください。

Search Analytics for Sheetsは無料で使えますか?

無料で使えます。ただし無料プランでは、1回の取得が最大25,000行までなどの上限があります。

どのくらい過去のデータを取得できますか?

Search Consoleが保持している最大16か月分です。それより古いデータは、事前にバックアップしていない限り取得できません。

自動バックアップを始めれば、古いデータも復元できますか?

できません。設定時点でSearch Consoleから取得できる期間は保存できますが、すでに参照できなくなったデータを後から復元することはできません。設定後も、予定どおり新しい行が追加されているか確認してください。

バックアップは日次と月次のどちらにすべきですか?

月ごとの傾向を比較したいだけなら月次で十分です。リライトやサイト移行の前後など、日単位の変化を追いたい場合は日次にします。

検索クエリはどんな観点で分類すべきですか?

表記のゆれをまとめた後は、「何のために検索したのか」という検索目的で分類するのがおすすめです。目的ごとにまとめると、それに応えるべきページが揃っているか、想定外のページが表示されていないかを確認できます。

Search Analytics for Sheetsなら、すべての検索クエリを取得できますか?

いいえ。Search Consoleはプライバシー保護のため、検索回数が少ないクエリを匿名化しており、その文字列はどの取得方法でも分かりません。さらにAPI経由の取得には行数の上限があるため、ロングテールの末端までは網羅できません。BigQuery一括エクスポートなら、匿名化されたクエリも文字列なしの行として含まれるため、クリック数や表示回数の合計を漏れなく集計できます。

検索クエリごとにGA4のコンバージョンを見られますか?

見られません。Search ConsoleのクエリとGA4の行動データは直接結合できないためです。代わりに、日付とランディングページをキーにして、ページ単位で検索後の行動を評価します。

以前紹介していたTableauは、もう使わないのですか?

Tableauは現在も有力な探索・可視化手段です。ただし、Search ConsoleデータをTableauへ直接つなぐこと自体を目的にはしません。まず再利用できるデータと検索目的の分類を整え、その用途に応じてTableauやLooker Studioを選びます。

参考資料