iPhone用のGoogle Analyticsアプリ13種類まとめレビュー
Google AnalyticsのiPhoneアプリを13種類あつめてレビューしました。機能や操作性、安定度がさまざまなだけでなく、サポートの対応、更新頻度もピンきりです。開発が止まったまま販売を続けるアプリや、サポートが放置状態のアプリもあるので、購入の際は注意が必要です。
当サイトが今回の評価結果から導き出した、長期的に安定して使えるものを選ぶためのポイントは
- 頻繁にアップデートされていること(例えば最新iOSに対応しているか?)
- サポートサイトが充実していること(FAQや書き込み機能はあるか?サポートのやりとりは活発か?)
- USのiTunes Storeでの評価が良いこと(日本よりも評価とコメントの数が多いので参考になる)
今回はそんな観点で、全13種類のGoogleアナリティクス用iPhoneアプリについてレビューしました。
2018年追記:Googleが公式のGoogle Analyticsアプリを公開したので、それがベストです。サードパーティのアプリは存在意義を失ったので、ほぼ全滅しました。
Analytic(無料)Download
機能が少なく、サマリーとしてのダッシュボード(PV、直帰率、平均滞在時間、新規訪問率、平均閲覧ページ数)、ブラウザ種類、リファラ種別(数字がおかしい)の3種類のレポートのみ。
2010年1月にバージョン0.1が公開され、その後のバージョンアップにより実用レベルに達した。概要をサクッと調べるには良いアプリ。最後にアップデートされたのは2013年。
Analyze This!(無料)配布終了
ゴール、eコマース、キャンペーンという3種類のレポートのみに特化した無料アプリ。GAのゴールやeコマース設定をしっかり行ったサイトで、マネージャーや経営者が結果だけ知りたい場合には良いかも。
2009年12月以降はアップデートされていない。2014年2月追記:公開終了
Analytics Agent Free(無料)配布終了
17種類のレポートに対応し、広告が画面一番上に表示される機能限定の無料版。グラフ中の文字が一部中国語になっているが、意味は分かるので支障はない。
公式サイトが消滅していて、2009年6月以降はアップデートされていないが、無料版の中では唯一実用的。2014年2月追記:公開終了
Quicklytics(800円)配布終了
サマリー(全体のPV、訪問、直帰率、平均閲覧ページ数)、各種閲覧環境(ブラウザ、国、OS等)の2種類のレポートのみに絞り込んだアプリ。後発のため、シンプル&高速という特徴を打ち出したと思われる。期間は今日、昨日、1ヵ月、の3種類からしか選択できない。サイト名(プロファイル名)が文字化けする。
2010年7月24日のUpdateでiPhone4に対応した。公式サイトには要望リクエストコーナーがあり、投票できる。うち2件は対応済みなので、サポートは良さそう。ただし機能が少ないので、115円でも割高感がある。下のVisitsの方がお得か。
Visits(200円)配布終了
サマリー(PV、訪問、UU、平均閲覧ページ数、直帰率、平均滞在時間、新規訪問率)と、検索キーワード、リンクの3種類のレポートのみに対応したアプリ。毎日軽く確認するなら、この程度で十分かも。デザインが凝っているが、操作性は慣れが必要。
公式サイトは動画つきの1ページと問い合わせフォームのみ。アプリ自体も2010年1月からアップデートされていない。
Touchlytics Lite(115円)配布終了
対応レポート数が少ないライト版。日本語化されている。よく落ちるという評判なので購入してません。
2009年10月以降はアップデートされていない。公式サイトは動画つきのペラサイト。問い合わせはメールアドレスのみ。2014年2月追記:公開終了
iAnalytics(230円)配布終了
以前はPocket GAという名前だったものが、120円安くなって再登場。
サポートサイトには連絡先も書き込みフォームもないため、USのiTunes Storeでは不満の声も。最後の延命措置?2014年2月追記:公開終了
Ego(230円)配布終了
Feedburner、Twitterなどの指標を1ページで一覧表示できる異色のアプリ。Google Analyticsのとしては、PVと訪問数しか表示できない。iPad版は別アプリ。
2010年7月にバージョンアップし、iOS4に対応した。サポートのやりとりがWeb上で公開されているのも安心できる。2014年2月追記:公開終了
Analytics Agent Pro(350円)配布終了
対応レポート数が増え、広告も表示されない有料版。
2009年6月からアップデートされていない。サポートサイトも消滅したままなので、購入には勇気がいる。2014年2月追記:公開終了
Touchlytics(450円)配布終了
40種類のレポートに対応した高級版。こちらもLiteと同様、よく落ちるという評判。
2009年10月からアップデートされていない。公式サイトは1ページのみで、問い合わせはメールアドレスが表記されているだけ。この価格帯ならAnalytics ProかBAM Analytics Proにした方が無難か。2014年2月追記:公開終了
BAM Analytics Pro(600円→230円)配布終了
65種類ものレポートを閲覧できる。カスタムレポートの作成や、セグメントにも対応。さらにダウンロードやメール送信も可能。各レポートは200行まで表示可能。
機能的にはナンバーワン。
2010年4月にバージョン2.2になった。10/11現在セール中なのでお得。サポートサイトが充実している。2014年2月追記:公開終了
Analytics App(700円)配布終了
55種類のレポートを閲覧できる。各レポートは100行まで表示可能。iPad版は別アプリ。
2010年6月にバージョン1.71になった。サボートはメールのみだが、FAQなど公式サイトは充実している。
Analytics Pro(800円)Download
約44のレポートを閲覧できる。UIも分かりやすい。高いだけある、と評判が良い。
FAQやリリースノートなど、公式サイトが充実している。2018年になってもまだアップデートされている長寿アプリ。
結論
アプリの競争状態が続くと、質と価格が比例する状態に落ちつくようです。相対的に価値が下がったアプリは値下げし、さらに無料版の公開を中止したり、稀の新参アプリは無料で公開してから途中で有料化するなど、価格に動きがあります。
2018年更新:Googleが公式のGoogle Analyticsアプリを公開したので、それがベストです。サードパーティのアプリは存在意義を失ったので、ほぼ全滅しました。
iPhoneでGoogle Analyticsを確認する意義って?
GAユーザーは一部のサイトオーナーに限られ、さらにGA系アプリを一度インストールした後は買い替えをしないと思われます。最初は「iPhoneでGAレポートが見れて便利だ!」と感動するのですが、そのうち忘れて使わなくなるのです。そういう意味で、冷えたジャンルになってしまったのでしょう。800円のアプリ2つとCracklyticsとEgo以外は、開発やサポートが滞っていて、惰性で販売を続けているようです。新規参入はほとんどなく、iPad版も2種類しかリリースされていません。
そもそもGAはリアルタイムではないので、外出中に頻繁にトレンドを確認する用途には向いていないのです。昨日はどうだったかな?という程度の必然性なら、無料や230円のアプリで十分。じっくりアドホックに解析する場合は、いずれにせよPCとブラウザが必要になります。
検索キーワードのトレンドや被リンク状況、公開直後のコンテンツへのアクセスをリアルタイムに調べたい場合は、GAに加えてClickyも併用するのがおすすめです。サイトがiPhoneに最適化されているので、アプリのインストールは不要です。
私の場合は、全体のPVとUU→流入元の割合(検索・外部リンク・その他)→外部リンク一覧→TOPコンテンツ、という順番で一日に何度か確認しています。2chやTwitterでの言及を素早く察知し、書き込みやTweetしたり、該当コンテンツを更新することで、炎上の防止や更なるトラフィック増など迅速な対応が可能になります。
2010/7/25 追記:Cracklyticsがバージョンアップし、iOS4とiPhone4の高解像度ディスプレイに対応しました。
2010/10/11 追記:CracklyticsがQuicklyticsに名称を変更したのを反映。その他はバージョンや価格に変動ありません。落ち着いたジャンルですね。
2014/02/20 追記:13中9個のアプリが公開終了し、App Storeから削除されていました。新しいアプリも増えました。
2018/4/18 追記:Googleが公式のGoogle Analyticsアプリを公開したので、それがベストです。サードパーティのアプリは存在意義を失ったので、ほぼ全滅しました。