iPadでリモートデスクトップを使ってWindowsを遠隔操作するという記事が人気です。自宅のPCを寝室などからiPadで遠隔操作、というシチュエーションが多いかもしれません。私の場合はメインPCを家に置かずに仮想化&クラウド化しよう、と考えました。

PCをクラウドに置く(リモートで仮想化する)メリット

  • 端末を変えてもブラウザやウインドウの状態を再現できる
  • 定期実行ソフトを24時間稼動できる(SEO効果測定やFX、株価チェック等)
  • OSの(再)インストールが楽
  • US国内のフリをしてネット利用ができる

実は存在する安価な仮想Windowsレンタル

サーバーのレンタルといえばLinuxが多いですが、実はVMwareやVirtuozzo、Hyper-Vなどで仮想化された専用Windowsサーバーを安価にレンタルできるサービスがいくつか存在します。OSの管理者権限がつくので、アプリケーションやサーバーのインストールができ、いろいろな用途に使えて便利です。サーバー用途ではAmazon EC2が有名ですが、個人向けの安価なサービスが無いか探してみたところ、5つのサービス見つかりました。

  • スペックや価格は2017年4月時点のものです。よく変わるので詳細はリンク先へ。

最低限のプランのみ抽出しています。実際には追加コストでスペックUPできたり、別のプランも提供されていたりします。

個人向けの安価なサービスで見つかったのは以上で、あとは企業向けの高価なサービスばかりでした。価格が何倍も違うので、個人では手が出ません。

お名前.comデスクトップクラウド

Memory: 1GB HDD: 50GB 転送: 無制限 2,400円/月 (25,920円/年)

2010年7月に登場した日本のサービス。長期割引があり、年間契約だと月額2,160円。外部公開サーバー用途には使えないリモートデスクトップPC専用サービスにすることで、パフォーマンスを高め価格を抑えたそう。OSはWindows Server 2012。

WEBKEEPERS

Memory: 1GB SSD: 60GB 転送: 無制限 価格:1,880円/月 (20,160/年)

OSはWindows 2012サーバー。USにある日本の会社が提供するサービス。長期割引があり、年間契約だと月額1,680円。OSが日本語でサポートも日本語なのが良い。ただしサーバーはUSにあるらしい。

Servebyte

Memory: 3GB SSD: 30GB 転送: 25Mbps, 制限なし 価格:15ユーロ/月 (150ユーロ/年)

ヨーロッパの会社なので支払いはポンド。Windowsは自分でライセンスを用意してインストールする必要がある。

SWVPS

Memory: 64GB SSD: 256GB 転送: 制限なし 価格:$6.59/月 ($79.08/年)

OSはWindows 2008サーバー。メモリもディスクも多め。昔よりもだいぶ安くなった。

VPSLAND

Memory: 1GB HDD: 30GB 転送: 3TB/月 $25月 ($300/年)

スペックの割に価格が高い。サイトではOSの価格が含まれていなく、申し込みを進める途中でOS分が上乗せされる点に注意。

まずは体験

使い勝手やパフォーマンスは使って見ないと分からないので、一番安いUCVHOSTに申し込みました。2日経っても使える状態にならず、Web上のサポートチャットで問い合わせたところ、「どの国?」「日本です」「用途は?」「デスクトップとして」「Ok、数時間で使えるようになる」ということで、ようやく使えるようになりました。海外からの申し込みは警戒しているのかも?

2017年4月追記:UCVHOSTはサービス終了したようなのでリンクを削除しました。

海外サービスの場合はOSが英語版なので、日本語は入力どころか表示もできず、文字化けします。Windowsの設定でLanguage Optionを追加したくてもOSのディスクがありません。英語での交渉やWindows設定変更に自信のない方は、日本向けサービスにした方が無難でしょう。

本格利用は国内サービスがおすすめ

海外のサーバーだとやはり速度が落ちます。もっさりしていて、接続がタイムアウトすることも。iPadとiPhoneからの時々のリモートPC利用というスタイル自体は実用的なことが分かったので、2011年7月から日本のサービス「お名前.comデスクトップクラウド」に切り替えました。OSが日本語、速度も断然速く、快適です。

使ってみた感想

という訳で、いつでもどこでも自分のデスクトップにアクセスできるようになりました。GRCを常時起動し、検索順位を毎日記録しています。

海外サーバーだと、画面がカクカクするので、Flashサイトや動画再生には向きません。国内サーバーなら若干コマ落ちする程度なのが良いです。CPUやディスクアクセスは、中途半端なPCよりも速いです。

メールやファイル保存はGoogleやDropboxなどのクラウドサービスを利用しているので、自宅の物理的なPCは利用頻度がかなり落ちました。メモリカードの読み出しや印刷、スキャン、ネットゲームでたまに使う程度です。4台ある自宅PCは2台に集約しました。