こんにちは。3月発売の書籍「ビジュアルWeb解析」を鋭意執筆中の清水です。
アクセス解析イニシアチブ主催のセミナー「チームの意思決定に不可欠なデータのビジュアライズ」(参加レポート)に参加いただいた小杉さんのWEB解析 Advent Calendar 2013Facebook)(ATND)に参加したので久しぶりにブログ記事を書いてます。

単なる業界総括やトレンド予測では面白くない!今日はクリスマスなので、「家族と過ごす」というUSスタイルで「息子と一緒に学んだこと」について書くことにしました。

英語とタイピングがだいじ

パパ:最近はGoogleで検索すると、ゲームの攻略方法から勉強のことまで、いろんなことが調べられるけど、英語で検索すると、もっと新しい情報がたくさん見つかるでしょ(時々英語で調べてあげてます)。パパもそれで新しいことに詳しくなって、アメリカで仕事できるようになったよ。

子ども:そうだね

パパ:あとは、タイピング。手をバタバタさせてエンターキーをパシっと叩く人がいるけど、動きがムダ。有名なギタリストのエリッククラプトンは、速く弾いているのに手がゆっくりに見えるから「スローハンド」って呼ばれてる。キーボードも同じで、表面をなぞるようにスムーズに打つと早い。「F」と「J」の出っ張りに人差し指を置いて、あまり手を動かさないこと。

パパ:仕事の7割くらいはキーボードでメールを書いたり書類を作っているわけだから、タイプが早いと仕事も早くなる。一度覚えれば、英語と同じで一生続くからおトク。だから覚えるのは早い方がいい。

子ども:うん

やる気が出たようで、タイピングのサイトやアプリを見つけて練習を始めました。

数学とアルゴリズムがだいじ

パパ:数学も大事だね。最近は統計ができる「データサイエンティスト」なら仕事がたくさんある。いつまで続くか分からないけど、英語と数学は基礎みたいなもの。

伝えられることがだいじ

パパ:国語は成績よりも、わかりやすく説明できることが大事だよ。たとえば得意になったパソコン操作やプログラミングをパソコンクラブで教えるとか、夏休みの自由研究で分かりやすく解説できるとか。

パパ:日本語でも英語でもそれができたら最強。人の前で発表したり、本を書いたりできるようになって、それを仕事にすることもできる。

実際にパソコンクラブなどで教えているようです。授業で発表する機会があり、iMovieで動画を作ってました。

便利な道具を使って時間を節約しよう

これは言葉で伝えるのではなく、環境を提供している、という話です。

春に子ども用のパソコンを買うことになりました。一世代前のMacbook Proを安く買えたので、それをパパ用にして古いのをお下がりしようとしたのですが、

パパ:パパのこんなに薄くってかっこいいMacbookをあげよう!

子ども:お下がりなんてやだ〜

結局、子どもの方が速くて容量に余裕のあるマシンを使うべき、という結論に至りました。

子どもや学生はヒマなので地道にがんばれば良い、という風潮がありますが、好奇心が旺盛で記憶力がある十代(特に中高の6年間)こそ、限られた時間内で効率良く多くのことを試せるべき。大人が最速のマシンを入手したとしても所有欲が満たされるだけで、操作が遅く追いついていなかったり、習慣になった効率の悪い方法を惰性で続けるだけ。新しいアプリやスキルを学ぶことも少なく、実質的な効率アップにはつながらない。もっと素早く応答でき、いろいろな可能性を試して学べる子どもの方が速いマシンを使うべき、と思うようになりました。


というわけで、Macbook ProにOffice 365、Eclipse、Photoshop、Dreamweaver、Flash、Dropbox、VMware上のWindows 7、などをフル装備してあげました。操作するのを横で見ていると、速過ぎて目が回ります@@。入っているソフトもどん欲に試している様子。

一方、パパは古いMacbook Airに「ど〜も君」のステッカーを貼って大事に使ってますw

「一緒にやろう」

子どもが

子ども:東大に入りたい。

と言い出すので、

パパ:どんな仕事をしたいかを決めてから場所や大学を選んだ方がいいよ。
パパ:ITならシリコンバレーとかね。アメリカの大学に行くならアパートで一緒に住めるね。

とアドバイス。今の段階では可能性を広げておいて「それならカンタンかも」と思うだけで十分でしょう。

さらに先日の第一回Webグランプリの受賞者紹介ページを見せて、

パパ:プログラミングだけだと海外の安いとこに負けるから、マーケティングもオススメ。パパはそれでWeb人賞もらえた。親子受賞めざそうかー

子ども:つくるだけでなく、デザインしたり広めるのも面白そうだなー

パパ:開発もできるけど仕事にしないってのもいいね。今は解析とかデジタルマーケティングがおもしろいよ。
ブログに「中学生が学ぶ」ってつけるとスゲーって人気出るかも。そうなるとお金を出す人が出てきて会社も作れる。パパも手伝うから全部一人でできなくてもいいよ。すごいデザイナーとか集めればいい。

子ども:うん

…というわけで、パパの背中を見ながら順調に育ってます。

13歳が立ち上げた3つのブログ

6月にはブログを始めることになりました。

まず、サイト名の案をいろいろ出し合いました。

パパは子どもっぽさを打ち出してアクセスを増やすことを提案したんですが、

子ども:そんな子どもっぽいのはヤダ

と反発。

確かに、子どもを子どもと思うのは周りのオトナであって、自分たちは精一杯背伸びして生きてます。周りの目を気にして自分を飾る方法なんて今から覚える必要はない。自分も昔はそう思ったことを思い出し、本人の意思を尊重することにしました。

そして、6月に最初のサイトをオープン。

パパはCMSのWebnodeを紹介し、サイト名の画像を作ってHTMLを修正しただけです。

ところが20ページほどアップした結果、マインクラフトのエントリーばかりになったので、

パパ:マインクラフトに特化したサイトを別で立ち上げた方がいいね。ドメインが取れて、内容に合っていて、検索しても似てるサイトが見つからない名前がいいよ。

とアドバイスし、別のサイトをオープン。

子ども:サイトじゃなくてブログにしたい

というので、今度はプラットフォームとしてGoogleのBloggerを選んであげました。

さらに1ヶ月後には、プログラミングとCGアート関係のブログを自分で立ち上げてました。

  • SimSizer (2013-09-15オープン)

もちろん解析も

これらのサイトは全部Web解析を導入してあり、時々スマホでアクセスをチェックしています。

コンテストにも挑戦

12月には日本情報オリンピックというコンテストに参加。残念ながら予選で敗退しましたが、表面的なテクニックではなくアルゴリズムを身に付けないといけない、と思ったようです。

以下は本人のブログから引用:

子ども:vectorとかmap(連想配列)とか色々とC++の機能は勉強してきたのですが、アルゴリズムの勉強が足りていなかったみたい。

そうそう、テクニックよりも基本的な考え方が大事だね。

以上、デジタルキッズとして育っている子どもとのやりとりを紹介しました。

Webアナリストが息子と一緒に学んだこと

Webアナリストとしての私が息子と一緒に学んだり実践してきたことをまとめると:

  • ネットの仕事をするなら英語でソース情報を調べる方が良い情報を早く得られる
  • 専門的なことよりも先に英語とタイピングを学ぶと効率が上がる
  • 統計やプログラミングは「IT」の一部。依頼やコラボできる程度に概要を理解しておくと便利
  • 伝わらない分析に価値は無い。分かりやすく伝える工夫をしよう
  • どの会社で何をするかは自分の目的次第
  • 結果にコミットするパートナーになろう
  • 話題性を作って波に乗るのも大事(ただし自分を失わない、妥協しない)
  • コンテストや新しいことに果敢に挑戦しよう!

13歳の息子はこの後、Web解析に挑戦しました。

2014年のWeb解析は

最後に、Web解析の直接的な話で締めくくりましょう。

ざっくり分析が重要になる

分析はきりがないので、まず全体を大きく斬って分析し、変化や違いが現れたところのうち、重要なものから順番に深堀してみていく、というプライオリティ付けと割り切りが重要になるでしょう。

スモールデータの時もざっくり分析は重要なのですが、データの量や種類が増えるとデータに溺れたり木を見て森が見えなくなることが増えるので、ますます「ざっくり分析」が重要になると予測してます。

ビジュアルで考えてビジュアルで伝える

ビジュアルで考えるためのツールとしてコンセプトダイアグラムが役立ちます。全体像を把握しながらざっくりと分析するためには、インタラクティブなグラフやダッシュボードでビジュアル的に分析するのも効果的。それを楽に実現できるツールも増えてきました。

また、伝わらなければ価値が無いのと同じ。分析して分かった結果を分かりやすく伝えるためのプレゼンでもビジュアライズが役に立ちます。この辺りのテーマは2014年も追求していく予定です。

個人情報保護からプライバシー尊重へ

日本では「個人情報保護」という側面が先行したので「個人を特定できなければ問題ない」という誤解が広まりましたが、ヨーロッパやアメリカでは「プライバシー保護」つまり「不快と感じさせない」「そう感じたら簡単にオプトアウトできるようにする」ことが重視されます。

2013年も際どい案件がいくつか話題になりましたが、Cookie vs. スーパーCookieのような技術論ではなく、ユーザー視点で考えるのが重要ですね。

1/15にはイベント「Creepy(キモい)で考える個人情報/プライバシー問題~パーソナルデータの利活用はどうあるべきか」でcciの宮一さんと対談します。

・・・

では、メリークリスマス&良いお年を